老いを受け入れる

先日、「平穏死のすすめ」や「親の老いを受け入れる」などの著書で有名な、長尾和宏先生の講演会に行ってきました。
正確に言うと、私が主催した講演会でした。医師会のドクターが対象の講演会でしたが、どちらかと言えば市民公開講座にしたら良かったと思うような内容でした。
一番最後に使われたスライドがYouTubeにアップされていたので、ここでも見えるようにしてみました。
年老いた両親を持っている子どもさんたちに見て欲しいです。



[PR]
# by takahashi-naika | 2017-03-10 12:00

インフルエンザ流行期の対応

インフルエンザはやはり多いです。
先週から学校が始まり、子どもさんにも増えてきました。
学級閉鎖になった学校もあるようです。

流行期に入ると、個人や職場で色々対応をとっていますが、中にはどう見てもまとはずれなものがあります。

慌ててワクチンを打ちに来た方がいました。
ワクチンは打ってから効果が出るまでに1ヶ月近くかかります。
その間にかからなけば意味があると言えますが、効果が出る頃には流行期が終わっているかも知れません。
まあ、その後にB型が流行る場合もあるので、全く意味が無いとは言いませんが。
流行期にワクチンを打っても既に遅しの事が多いです。
ワクチンを打つなら11月、遅くとも12月半ば頃までには打つべきと考えます。

職場でインフルエンザが流行してきたので、熱も症状も無いのに調べて来いと言われたと受診した方がいました。
熱があっても検査が出ない人がいるのに、無症状の人を調べてどうするのでしょう?
検査は、陽性と出た場合にのみ意味があります。
陰性の場合に意味はありません。
インフルエンザだけど、出ない場合もある。
インフルエンザで無いから出ない場合もある。
陰性の有効期限はその一瞬だけです。
半日後には熱が出て来て陽性になる場合だってあります。
最悪、待合室で待っている間にうつってしまう可能性だってあります。

一番有効なのは、インフルエンザの薬を予防で服用することです。
当院でも職員に、予防でリレンザを吸入させています。
内服で無く吸入なのは、内服の方が副作用が多いからです。
予防でするのに、副作用が起こるのは嫌ですよね。
健康保険は効きませんので、自費と言うことになります。
数千円のお金はかかります。
でも、数日仕事を休むことの個人、組織の損失を考えると十分に釣り合う物だと思います。

もう一度要点を書いておきます。
流行期になったと言っても、全員がかかる訳ではない。
流行りだしてからワクチンを打つのは有効とは言えない。
熱も症状も無い人に検査をしても無駄だし、将来の保証にはならない。
唯一有効な手段は予防の内服、吸入である(自費になります)
うがい手洗いは気休め程度と思ってください(インフルエンザにうがいは有効とは言えません)
この季節、風邪かと思ったらインフルエンザじゃないか?と疑う事が必要
典型的な症状を示さない人もいます(熱があまり高くない・・でも、しんどさが強い人が多いです)

少し話がそれますが、若い人、成人の場合はインフルエンザにかかっても数日しんどい思いをするだけで治ります。極端に言えば、インフルエンザの薬を飲まなくても治ります。
早く熱が下がったら、早く会社や学校へ行けると言う訳ではありません。
気をつけなければいけないのは、高齢者。肺炎や気管支炎を併発したり、食事が出来なくて脱水になったりします。

そうやってみんなでこの流行期を乗り切りましょう。



[PR]
# by takahashi-naika | 2017-01-19 11:22 | 診療雑記

インフルエンザ流行期になりました

例年通り、年が明けるとインフルエンザの患者さんが増えて来ました。
あちこち、帰省や初詣、同窓会、成人式などで人が動くことに起因しています。
そして2週目から学校が始まると、子どもの患者さんも増えて来ました。

インフルエンザと言えば、一番に高い熱ですね。
そして、頭痛、関節痛などの全身症状が強いこと。
もちろん、咳や鼻水もあります、時々お腹が痛い人も。

まあ、流行期になって典型的症状の人はそう間違いませんが、
時々典型的で無い人もいます。
微熱の人、ほとんど熱も無い人も。
そういう人がインフルだと言うことは、検査をしたことにより判明する訳ですが、
この人に検査をしてみようと言う動機が必要ですね。
私が長年診療しているポイントとして、インフルの人はしんどさが強いと言うのがあります。
熱がたいしたことないのに、体が尋常じゃなくしんどいですか?そういう人が多いです。

インフルエンザウイルスは空気感染するので、結構遠いところへ飛びます。
だから、どこでうつったのだろうなんて考えても無駄なんですよね。

実は私の85才の父もインフルエンザになりました。
ちゃんとワクチンもしていたのに。
土曜日に微熱と鼻水で来て、普通の風邪として処方をしましたが、
その日の夜に39度近い熱が出たと言うので、翌日の日曜日に往診に行きました。
迅速検査であっという間にA型が出ました。
抗インフルエンザ薬の点滴をしました。

インフルエンザの薬には、飲み薬、吸入、点滴があります。
私はもっぱら吸入を処方する事が多いです。
飲み薬は、簡単ですが、時々吐いたり、下痢したりする副作用がありますので。
患者さんには出来るだけ早く帰って欲しいので、点滴を処方する事は一番少ないです。

しかし、父をはじめ、高齢者の方には点滴をしています。
熱でもうろうとしてる時に、吸入のやり方など説明しても分かってないことが多いのです。
内服を処方しても、しんどいから・・と飲んでないことも多いのです。
ですから点滴です。

翌日も点滴に行き、そのあたりで解熱してきました。
予想通り、父は前日に私が来たことは覚えていましたが、服薬に関して(他の症状に対してクスリを出していました)あれこれ説明したことは
全く覚えて無かったようです。
正月過ぎて出かけたのは、スーパーに一度買い物に行っただけなのに・・と言ってましたけど、だからわからないんだって。
母には、予防で内服薬を飲ませていました。一瞬微熱が出ましたが、その後すぐに下がって事なきを得ました。

若い人がインフルエンザになって高熱が出てもあまり心配しませんが、やっぱり高齢者は心配ですね。
私の日祝の連休はこんな風に終わったのでした。

インフルエンザの正確な診断は、迅速キットによって行います。
熱が高くなって12時間ぐらい経たないと陽性率が上がって来ませんが、早期で出る方も居ますので、私は来た患者さんは、時間が短くてもテストはしています。
大事なところ・・・・テストが陽性なら間違いなくインフルだけど、テストが陰性なら絶対に違うとは言えない。
おかしければ、翌日にもう一度検査することをお勧めします。
家族に患者さんが居るときは、検査せずとも、治療をする場合が多いですが、それで外れは滅多にありません。
診断は治療をするためにしますが、そのために必ずテストが必要と言う訳ではありません。

流行期、風邪かなと思っても、インフルエンザの可能性は考えていただきたいと思います。


a0310110_18034338.jpg



[PR]
# by takahashi-naika | 2017-01-16 18:28 | 診療雑記

今年もよろしくお願い致します

あけましておめでとうございます。
またまた久しぶりのブログになりました。
最近どうも月1回ペースになってしまっています。
書きたいことは色々あるけれども、時間が無いと言うのが悩みです。

当院は29日の午後からⅠ月3日まで休診となっております。
ご不便をおかけして申し訳ありません。
この時期に調子の悪くなった方は、救急病院や徳島市の夜間休日診療所をご利用ください。

私も開業当初は、24時間電話を受けて、夜中もいつでも診察しておりました。
盆暮れにはお休みを頂きましたが、それでもかかってきた電話はとって
出来る限りの診察をしていましたが、最近は在宅患者さんなど、一部の患者さんのみの対応とさせていただいています。

理由は色々あります。
一番の理由は、心身のストレスが大きかったことです。
いつ鳴るかわからない電話やインターフォンに神経を注意しておかなければならない。
夕食の席につき、いただきますと言ったとたんにピンポンが鳴り、家族を残してしたに降りて行く。
夜中に患者さんを診て、やっと布団に潜ったと思ったらまた電話・・。
開業当初はそんな感じでした。
子どもが小さかったこともあり、どうせ家でいるのだからと思っていましたが、
それでも、開業した年の大晦日の日だったか、夫婦で正月の準備をしようとしていたのに、
1人診察して上に上がって来るたびにまた1人と言う具合に患者さんが来られて、とうとう昼過ぎまで
出ずっぱりのようになりました。さすがにストレスが高まり、もうこれで止めようと夫婦で決断して
午後は留守電にした記憶があります。(その年はまた元日の夜間当番が当たっており、これも大変でした)

数年前から不整脈が出るようになり、一昨年に手術をしたのですが、その頃から
もっと自分の身体も大事にせなあかんと思うようになりました。

他にも、カルテが電子カルテになり、立ち上げに時間がかかるようになったこと(事務員が居ないと少し自信もない)
院外処方になり、診療しても薬が出せなくなったこと。
そんなことがお休みを頂くようになった理由です。
御理解いただければ嬉しいです。

診療科によっては、長期のお休みの間に海外旅行など楽しまれるドクターも多いと思いますが、
内科の開業医になった時点で、そういう楽しみは捨てております。最後に海外に行ったのは新婚旅行の時かな。
子どもが小学校の最後の時に、北海道と沖縄へ行きましたが、その頃も状態の悪い患者さんが居て、携帯電話で
訪問看護師さんや、家族と連絡をとりながらの綱渡りでした。

このように、長期の休みの時が完全にフリーかと言うとそういう訳ではありません。
在宅の患者さん、嘱託医となっている老人ホームの患者さんなどは、何故か大抵この時期に悪くなります。
一昨年は老人ホームでインフルエンザが流行り、毎日のように往診。
今年は在宅の患者さんが調子が悪く、毎日往診していましたが、とうとう元日の夜にお亡くなりなりになりました。
私も大晦日、元旦と往診に行ったわけですが、正月がいきなり喪中になったご家族の心情は計り知れません。
患者さんが悪くなった時点で、もう腹を決めているので、元日だろうが大晦日だろうがどうでもよくなっているのですが、
患者さんの方が恐縮されます。私の方は、むしろそんな時期に負担をかけることになった家族の方に申し訳無く思います。

変な話ですが、自分が医者だと一番実感するのは、病気の患者さんが良くなった時では無く、死亡宣告をして
死亡診断書を書く時なのです。病気は医者が居なくても治る事も多いですが、死亡宣告と診断書は医者でなければできませんので。

ながながと、忙しい言い訳のようなものを書きましたが、その合間を縫って、正月料理を作ったりしていました。
料理は元々好きなので。
私の母も80代半ばとなり、なかなかお節料理を作るのもしんどくなったようで、去年から私が作っています。
お煮染め、肉の佃煮、だし巻き卵、紅白なます、などなど。
黒豆は今年は父が炊いてきました。海老ときんとんは妻が作ります。
元旦に私が往診に行っている間に、妻が綺麗に重箱に詰めてくれました。
弁当箱とか、重箱に詰めるのは苦手なんですよね。

残ったお煮染めは小さめに切って、そば米雑炊の具にして元日の夜に頂きました。
そして私のお持てなし料理のローストビーフも。

そば米を、「これはお米?」と言った母が、父の言うとおりに少し物忘れが出て来ているのだと実感し、
仕方無いと思いつつも少しショックでした。
毎年の恒例で、新聞のクロスワードパズルをする母を横で父がサポートしていました。
いつまでこの光景が続くかなと思うと、少し胸が切なくなったりして。

そんな風に今年のお正月も終わります。
また明日からいつもの診療です。
今年もよろしくお願い申し上げます。
a0310110_18553471.jpg

[PR]
# by takahashi-naika | 2017-01-03 18:56 | 日常雑記

忙しい時期のぼやき

11月に入るとインフルエンザワクチンを打ちに来られる患者さんが増えました。
健診の人も増え、健診に会わせて胸のレントゲンや、胃の内視鏡をして欲しいと言う方もいます。
そして、風邪や胃腸炎の人も増えてますます待ち時間が増えています。
長時間待っていただく患者さんたちには、申し訳無いと思っていますが、この混雑はどうにか出来ないものか。

毎年思うのですが、何故健診は12月まであるのだろうかと。
国保の特定健診が始まるのが7月から12月まで。そして徳島市の癌検診が7月から12月までですね。
どちらも市町村が絡んでいます。
健診を5月からはじめて9月頃に終われば・・いや7月から始めても10月で終われば良いと私は思います。
医療機関の忙しい時期に健診を持ってこないで欲しい。
受診者の側も、夏の暑い時には健診は来ません。その頃にすれば待ち時間もずっと少なくて済むのに。
込む時期に来られて、込んでいると言うのは、行列の出来ているラーメン屋に並んで待ち時間が我無いじゃないかと言うのと同じだと思うのです。

11月までに健診に来ずにに、特定健診をして、癌検診もして、ついでにレントゲンと心電図も取ってください、そしてインフルエンザワクチンもしてください・・そういう人が多すぎます。
個人の側からずれは、1回で全部済むので良いのかも知れませんが、みんながそういう風になると自ずと待ち時間が増えていきます。それでも良いよと仰る方も多いと思いますが、病気でしんどくて来ている患者さんの待ち時間も同じように増えてしまいます。

個人にお願いをしてもなかなかなので、行政が健診を早く終わっちゃえば良いと思うのですが、実は行政こそ全然前例を変えようとしないものなのです。
だからやっぱり個人の患者さんにお願いしたいです。
全体の待ち時間緩和のためにも、健診には7月から9月ぐらいの一番医療機関が暇な時期に来て欲しい。
虫の良いお願いだと分かっていますが、出来るだけ患者さんの待ち時間を少なくしたいのです。
年に1回の胃の検査をしたいと言う人は、秋では無くて春や夏にして欲しい。
何もかも1日で済ませたいと言う人は、専門の施設がやっている人間ドッグへ行けば良いと思うのです。(私は毎年夏に行っています)

来年からは、11月から3月ぐらいまでは、経過観察の胃の検査は止めようかななんて、本気で考えたりしています。経過観察ですから、いつやっても良いはずですから。
おちろん調子の悪い方、今すぐする必要のある方は別ですが。

毎年こんなぼやきを胸に抱きながら、この季節は診察しています。
[PR]
# by takahashi-naika | 2016-11-27 21:12 | 診療雑記

たかはし内科 院長 日々の診察雑記帳


by takahashi-naika
プロフィールを見る
画像一覧