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贈り物

贈り物_a0310110_2375761.jpg
いつだったか、診察室の机の上にある、患者さんが作ってくれた造花を写真で紹介したことがありました。

同じ患者さんが、第二弾、第三弾を作ってくれました。
前作と同じように、パンフラワーと言って、粘土で作った造花です。
ちょいとネットで調べてみたのですが、もともとは、メキシコだったかどっかの人たちが、食べ残しのパンで作り出したもので、昔は食パンにボンドを混ぜて作ったりした時代もあったとのことです。
今は専用の粘土があるらしいですね。

この事実を知ってしまったからには「災害時に非常食になるんですか?」言うギャグは言えなくなりました。

前はバラの花でしたが、今回は柿の実と銀杏です。
栃の木の机とマッチしてわびさびの世界ですね。
シーサーやキティちゃんとも仲良くしています。

昨年は悲しいことがあって、落ち込んでいた患者さんがこれだけ元気になったのは嬉しい事です。

キティちゃんを作ってくれた患者さんは今入院中。
元気になって退院してくれることをお祈りしています。

徳島市内では、今日霙まじりの雨が降りました。
初雪です。

では、みなさん。
今日も元気で!
by takahashi-naika | 2013-12-20 23:06 | 診療雑記

インフルエンザの診断

急に寒くなってきましたね。
それにつれて、ちらほらとインフルエンザの患者さんが出てきました。
11月の終わり頃から、ポツポツと居たのですが、全て大人の患者さんでした。
学校で流行り出すと一気に増えるんですよね。
先週の末ぐらいから、保育所、そして小学校で患者さんが出てきました。
でも、幸いなことに、もうじき終業式ですから、いったんは収束するかな?

インフルエンザは、漢字で書けば「流行性感冒」と言うぐらいですから、風邪の一種なんだろうけど、伝染力の強いこと、熱が高くて症状が強いことから、風邪とは違うとも言われていますね。

典型的な症例は、一般の鼻水、咳などの風邪症状の上に、高熱、頭痛、関節筋肉の痛みなどの全身症状が強いのが特徴です。ほんの10年ちょい前までは、こういう臨床症状から診断をしていました。まあですから、インフルエンザじゃ無いのにインフルエンザと診断された症例もいたと思います。

診断キットと言うものが出現してから、診断が正確になったと思われました。
しかし、この診断キットにも落とし穴があります。
全ての患者さんに陽性と出る訳ではないのです。
発熱が出現してから半日程度経たないと陽性率があがらない。
しかも100%とはなりません。

キットで陽性と出たら、インフルエンザであることは間違いないけれど、陰性の場合に絶対に違うとは言い切れないのです。
今日はテストが陰性だけど、明日は陽性だったと言う事はよくあります。
発熱してからの時間、鼻の穴の粘膜の潤い具合(あまり乾いていると出にくいように思います)、本人の検査に対する協力度(特に子供さんのばあい)など、色々な要因に左右されます

キットで陰性の人には、症状、経過、そして周囲の流行状況を鑑みて、陰性だけどインフルエンザとして治療をするのか、もう1日待って再検査をするのか。。、
このあたりが医師の判断のしどころです。
決してコンピュータには出来ないことですね。

今日は一人の年配の女性患者さんが来られました。
熱はまだ37度後半ですが、これから上昇しそうな雰囲気です。
お孫さんが3日前にインフルエンザと診断されたそうです。
そりゃ、うつったんだろうと考えるのが普通ですが、もう一人のお孫さんはテストしても陰性で、普通の風邪と診断されたそうです。
そんなんありえんだろう・・インフルに決まってるじゃん・・と心の中でブツブツ言いましたが、私がそのお孫さんの主治医ではないし、実際に患者さんを診察していないのでそれ以上はどうしようもありません。

この方のテストは陰性でした。
でも、私はタミフルを処方しました。
お孫さんの両親も熱が出てきているとか、そういう情報から総合的に判断したのです。

そして診療が終わる頃に、看護師が寄って来て言いました。
さっきの患者さんのテストが陽性に出ています。
一応判定時間は10分とか決まっているのですが、陰性だったキットを捨てずに置いておくと、暫くして陽性に出てくることが結構あります。
鼻を擦った綿棒の先に付着しているウイルスの量が少ないとそういうこともあるのではないかと想像します。
だから、当院ではキットは直ぐに捨てずに半日ぐらいおいてあります。

色々書いて長くなりました。
まとめましょう。

インフルエンザのキットは絶対ではない。
キットで陽性に出ればインフルエンザであることは間違いないが、陰性に出ても違うとは言えない。
翌日に陽性になることはかなりの確率である。
(特に、流行期になると、発熱してから受診するまでが早くなってくるので、そうなりがちです)
だから診断は、キットを参考にしながらも、症状や経過、周囲の流行状況を考えて慎重にするべきである。

あまり時間が早いとキットの陽性率が下がる。
しかし、インフルエンザの薬は、早く飲む方が効き目がよい。
そういうジレンマがあるんですけどね。

ドクターの中には、キットが陽性にならなければ絶対にインフルエンザの薬を処方しない人もいると聞きます。
もちろん、インフルエンザの殆どは、特別の薬を使わずとも5日程度経てば自然に治るし、薬には副作用もあるので慎重になるのはわかります。

しかし、私はそれはちょっとなあと思います。
それじゃあ、ロボットでもコンピュータでも診断が出来る。
陰性のものをいかに拾い上げるかが医者の力量だと思ってしまうのです。
by takahashi-naika | 2013-12-19 00:49 | 診療雑記

内科開業医の風物詩

風物詩と書くと、何やら風流な感じがしますが、そういうものではありません。

私たち開業医の季節の流れと言うのはこんな感じです。

7月、8月は1年で一番お医者さんが暇な時期です。
9月も稲刈りが終わるまでは暇かなあ。
でも、ボチボチ患者さんが増えてきます。

10月、健診の患者さんが増えます。
以前の徳島市の成人病検診は10月が〆切りでした。
今の特定健診は、多くは12月の終わり頃までなのですが、昔の名残で10月までと勘違いされている方も結構多い。
それに少しずつ涼しくなるから、健診行こうかと言う方が増えます。

11月、急に患者さんが増えます。
インフルエンザの予防接種が始まるからです。
そして健診駆け込み受診の方も増えてきます。

12月に入ると、インフルエンザワクチンの人は更に増えます。
健診も少し減りますが、まだまだ駆け込み受診が多いです。
そして季節の変わり目の風邪の人が増えます。
今年はRSウイルスやマイコプラズマなど、咳の多い方が目立ちました。

私も咳の風邪、引いちゃったんですよね。
治るのに2週間かかりました。

で、12月に入ると同時に、ノロウイルスと思われる感染性胃腸炎が急増します。
今日も全滅の家族が居られました。
そしてインフルエンザもちらほらと出てきます。
ワクチンの人とインフルエンザの患者さんが同時に待合で居たりするんですよね。

1月に入ると、胃腸炎の人は少なくなり、インフルエンザがどっと増えてきます。
この流行が1ヶ月近く続きます。
で、2月に入り、インフルエンザが減ってくると、今度はロタウイルスと思われる胃腸炎が流行。
花粉症の人も出始める。

と、まあそんな感じで11月から花粉症の終わる5月の頭ぐらいまでが開業医の忙しい時期で、5月から9月の中旬ぐらいまでが暇な時期ですね。

そういう流れを知ると、じゃあ健診は暇な8月、9月に行こうとか、インフルエンザワクチンは、胃腸炎がはやり出す(かかっちゃうと注射の時期が後ろに伸びちゃうので)12月より前にしておこうとか、患者さんの方でも色々算段が出来そうですね。

と、言っても計算通りにいかないのが人間の体ですね。
そして人間の思考回路は変えにくい。
例年12月から2月の終わりぐらいまでは、戦場と言うか阿鼻叫喚の光景が繰り広げられるのです。

胃腸炎、流行りだしています。
皆さん、手洗いをしてくださいね。手を不用心に口に持っていかないようにしてください。

では、明日も元気で!
by takahashi-naika | 2013-12-10 01:17 | 診療雑記

物語を聞かせて

今日は少し真面目な話しをしましょう。
真面目で少し難しい話しです。

私たち内科医が、患者さんの病気を診断するときに、一番重きを置いているのは何だと思いますか?
血液検査の結果でしょうか?
それとも、CTやMRIの画像でしょうか?

いえ、そうではありません。
もちろん、それらはとても有用なツールには違いないのですが。
そういうもので診断できる病気は限られます。
むしろ、そう言う目に見える形では診断出来ない病気の方が多いのです。

それでは何でしょう?

私たちが一番重視しているのは、現病歴というものです。
つまり、今の病気がいつからどんな風にはじまって、どんな症状を伴いながら今に至ったか。
その間に、治療が加われば、その治療によってどんな変化をしたか?
周りの同じような人がいるかどうか?

そういうことを一番大事にします。

病気の診断には、ワンポイントではなく、時間の流れとともにいくつもポイントがあった方がわかりやすいですね。起承転結と言うやつです。

患者さんの病気が始まって、今主治医である自分の前に来るまでにどういう経過を辿ったのか?
それが現在の病気を診断するために一番大事なことだと考えています。
私だけの意見ではありません。
過去の内科の大家の先生も皆おっしゃっています。
病気の8割は病歴だけで診断出来ると。

ですから、患者さんの話を一生懸命に聞いて、時間の経過とともにそれを整理しながら自分の頭の中を整理していきます。推理小説のようなものです。
患者さんによっては、話しの時間帯が、過去に飛んだり未来に飛んだり、また事実の中に自分の感想が入って来たりする場合があります。
そういう場合は、頭を整理するのに苦労をします。

ですから、患者さんも、出来るだけわかりやすく話しを聞かせてほしい。

「今日はどうしましたか?」と医者が言う時に「風邪です」と言うと、そこで話しが終わってしまいます。
既に診断は下されて、医者の入る余地はありません。けれど、その診断が全く外れて居る場合も多々あります。

「風邪だと思うんですが?」と言うなら「ほほう、どんな症状があってそう思うのでしょうか?」と尋ねる事が出来ます。
でも、それなら「数日前から、鼻水と咳があって、熱もあるんですが」と言って頂く方が解りやすいし手間も省けますよね。

医者は常に鑑別と言う事を考えています。
風邪だなあと思っても、他の病気の可能性はないか?と言う事も考えています。

だから、私は毎日言い続けています。
貴方の物語を聞かせてください。
正確に、そして簡潔であればなお嬉しい事です。
by takahashi-naika | 2013-12-01 03:07 | 診療雑記

たかはし内科 院長 日々の診察雑記帳


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