健診(検診)の話し、その1

いつの間にか6月。
ブログの更新も1ヶ月止まってしまいました。
筆まめな自分としては珍しいことです。

6月に入り、そろそろ特定健診の患者さんが受診されるようになりましたので、
今日は健診のお話しを。

前に書いたような気もしますが(年なので物忘れが激しい)、健診と検診の違いわかりますか?

健診とは、一見正常に見える人に、何か病気が無いかを探す作業です。
多くの場合、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病が対象となります。
対象とする病気は一つではないんですよね。

それに対して、検診とは、その人に特定のある病気が無いかを調べる作業です。
胃がん検診、前立腺癌検診、肺がん検診などがそれにあたります。

現在、生活習慣病に関しては、特定健診が施行されています。
この主催者は、皆さんの健康保険証の発行者(保険者)ですね。
社会保険の方は、それぞれの会社の保険組合などだし、国保の人は、国保連合会になります。
緑色の封筒に入ってお知らせが来ると思います。

一方、検診の方は市町村が主催となります。
大腸癌検診、肺がん、胃がん、前立腺癌、乳がん、子宮癌検診などは、ハガキでお知らせが来ると思います。

がん検診のうち、一般の診療所で受けられるのは、前立腺癌と大腸がんになります。
胃がん、肺がんは、集団検診(コミセンや検診センター)となり、また子宮癌、乳がんは特定の医療機関での受診となります。

上の事から分かるのは、検診、健診でわかる病気は限られており、あくまでその対象となる疾患だけと言う事です。異常がなければ全て正常と考えるのは誤りで、その対象となる病気に関しては、(恐らく)正常だろうと言う事です。

このことからわかると思いますが、健診は今現在、その病気がはっきりと自覚されていない人に対して、何かしら異常がないかを調べるものです。
ですから、現在高血圧や糖尿病で通院している方には、生活習慣病の健診は必要無いと言うのが私の考えですが、被保険者の平等と言う観点から、実際には全ての人に健診の受診券が発行されています。
結局、普段病院でやっている検査の代わりに健診でやると言う事なのですが(健診の自己負担額と、普段の診療での検査に対して支払う自己負担額がどっちが多いかがポイントなのでしょう)。

後期高齢者の方で、生活習慣病で受診されている方には、残念ながら(と、言うか私はそれが妥当と思うのですが)健診の受診券は発行されません。

当然、癌で通院されている方もその癌に関しては受診の対象とはなりません。

患者さんでよく勘違いされている方がいます。
最近、身体の調子が悪い。
だから健診に行こうと。
その考え方は理解は出来ますが、多くの場合ポイントがずれています。
調子の悪い原因が健診で分かることは滅多にありません。
それは先に書いた健診の目的を考えて貰えばわかることだと思います。

医師の方も、その人が健診で来たのと、病気で来たのとはまた頭の回路が変わってきます(私だけかも知れませんが)。
健診の場合は、何か病気があるかなと思うわけですが、受診の場合は、この人の不調の原因は何だろうと考えるからです。
当然、調べる項目も違ってきます。

ですから、身体の不調で受診される方は、出来れば健診を使わない方が望ましいと言えます。
現実に、受診の場合でも健診でするような検査はすることが多いので、費用の面からは、あながちムダとは言いませんが
医師自体の重きを置くポイントがずれてしまうのが一番大きな弊害では無いかと私は思ってます。


健診の話し、続きます。
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by takahashi-naika | 2014-06-22 22:38 | 診療雑記

たかはし内科 院長 日々の診察雑記帳


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