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インフルエンザの診断

急に寒くなってきましたね。
それにつれて、ちらほらとインフルエンザの患者さんが出てきました。
11月の終わり頃から、ポツポツと居たのですが、全て大人の患者さんでした。
学校で流行り出すと一気に増えるんですよね。
先週の末ぐらいから、保育所、そして小学校で患者さんが出てきました。
でも、幸いなことに、もうじき終業式ですから、いったんは収束するかな?

インフルエンザは、漢字で書けば「流行性感冒」と言うぐらいですから、風邪の一種なんだろうけど、伝染力の強いこと、熱が高くて症状が強いことから、風邪とは違うとも言われていますね。

典型的な症例は、一般の鼻水、咳などの風邪症状の上に、高熱、頭痛、関節筋肉の痛みなどの全身症状が強いのが特徴です。ほんの10年ちょい前までは、こういう臨床症状から診断をしていました。まあですから、インフルエンザじゃ無いのにインフルエンザと診断された症例もいたと思います。

診断キットと言うものが出現してから、診断が正確になったと思われました。
しかし、この診断キットにも落とし穴があります。
全ての患者さんに陽性と出る訳ではないのです。
発熱が出現してから半日程度経たないと陽性率があがらない。
しかも100%とはなりません。

キットで陽性と出たら、インフルエンザであることは間違いないけれど、陰性の場合に絶対に違うとは言い切れないのです。
今日はテストが陰性だけど、明日は陽性だったと言う事はよくあります。
発熱してからの時間、鼻の穴の粘膜の潤い具合(あまり乾いていると出にくいように思います)、本人の検査に対する協力度(特に子供さんのばあい)など、色々な要因に左右されます

キットで陰性の人には、症状、経過、そして周囲の流行状況を鑑みて、陰性だけどインフルエンザとして治療をするのか、もう1日待って再検査をするのか。。、
このあたりが医師の判断のしどころです。
決してコンピュータには出来ないことですね。

今日は一人の年配の女性患者さんが来られました。
熱はまだ37度後半ですが、これから上昇しそうな雰囲気です。
お孫さんが3日前にインフルエンザと診断されたそうです。
そりゃ、うつったんだろうと考えるのが普通ですが、もう一人のお孫さんはテストしても陰性で、普通の風邪と診断されたそうです。
そんなんありえんだろう・・インフルに決まってるじゃん・・と心の中でブツブツ言いましたが、私がそのお孫さんの主治医ではないし、実際に患者さんを診察していないのでそれ以上はどうしようもありません。

この方のテストは陰性でした。
でも、私はタミフルを処方しました。
お孫さんの両親も熱が出てきているとか、そういう情報から総合的に判断したのです。

そして診療が終わる頃に、看護師が寄って来て言いました。
さっきの患者さんのテストが陽性に出ています。
一応判定時間は10分とか決まっているのですが、陰性だったキットを捨てずに置いておくと、暫くして陽性に出てくることが結構あります。
鼻を擦った綿棒の先に付着しているウイルスの量が少ないとそういうこともあるのではないかと想像します。
だから、当院ではキットは直ぐに捨てずに半日ぐらいおいてあります。

色々書いて長くなりました。
まとめましょう。

インフルエンザのキットは絶対ではない。
キットで陽性に出ればインフルエンザであることは間違いないが、陰性に出ても違うとは言えない。
翌日に陽性になることはかなりの確率である。
(特に、流行期になると、発熱してから受診するまでが早くなってくるので、そうなりがちです)
だから診断は、キットを参考にしながらも、症状や経過、周囲の流行状況を考えて慎重にするべきである。

あまり時間が早いとキットの陽性率が下がる。
しかし、インフルエンザの薬は、早く飲む方が効き目がよい。
そういうジレンマがあるんですけどね。

ドクターの中には、キットが陽性にならなければ絶対にインフルエンザの薬を処方しない人もいると聞きます。
もちろん、インフルエンザの殆どは、特別の薬を使わずとも5日程度経てば自然に治るし、薬には副作用もあるので慎重になるのはわかります。

しかし、私はそれはちょっとなあと思います。
それじゃあ、ロボットでもコンピュータでも診断が出来る。
陰性のものをいかに拾い上げるかが医者の力量だと思ってしまうのです。
by takahashi-naika | 2013-12-19 00:49 | 診療雑記

たかはし内科 院長 日々の診察雑記帳


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