新しい絆

自分が最期をどこで迎えるのか?
それは、その人の信条がまずありますが、
その時の身体精神状況、看護介護するひとたちの気持ちやマンパワーなどにも左右されます。

今夜は、1人の患者さんを看取らせていただきました。
癌の末期の方でした。70歳の後半。
長年、生活習慣病で当院へ通院してくれていた方です。
ですから、私も最期は看取りたかった。

でも、当初は、家族に迷惑をかけたくないので、入院して死にたいと仰ってました。
まだ、癌がわかり、治療をしても効果が無かったけれど、ある程度元気な頃です。
いよいよ、動けなくなった時に、もう一度尋ねた時には、何も答えはありませんでした。
でも、介護していたお嫁さんは、自宅で看取る覚悟をされているようでした。
そう、一番肝腎なのが、家族の覚悟なのです。
主治医と家族が納得すれば、大きな障害はありません。
患者さんは住み慣れた家に居たい。それは当たり前の感情です。

多くを訴えない方でした。
少しずつ血圧も下がっていたし、血液の酸素濃度も低下していたし。
しんどかっただろうとは思うのです。
食事が出来なくなっても、私は点滴をしませんでした。
本人の希望も無かったし、家族も私に任せてくれていたからです。
少しずつ、口に含ませてあげる。水分、スープ、アイスクリームなど。
家族がしてあげる、それが大事な事だと思うのです。

医者はオーケストラの指揮者のようなものです。
どんな編成にするか、どれだけの音を出すのか考えます。
私は今回、出来るだけ人数を最小限に、音も殆ど沈黙を演奏するような構成にしました。
訪問看護婦さんに、状態観察と患者さんの世話をお願いしました。
家族が休むことが出来るのと、私が状態を把握することが出来るからです。
もちろん、本人家族が望めば、点滴もするし、酸素投与もいたします。
でも、死を前にして、必要なものは最小限でよいと考えました。

夕方に、呼吸が止まりつつあると家族から連絡があり、往診に行きました。
時々目を開いて大きな息をしますが、その間は長い時間止まっていました。
まだ脈拍は触れていました。
家族には、今晩中にお亡くなりになると思うので、お別れをしてくださいと言って帰ってきました。
でも、多分すぐだろうなと思っていましたが、家族から連絡があったのは、日付が変わる直前でした。
寝たきりになって約3週間程度、介護する人の負担もギリギリ許容できる期間だったかなと思います。

自宅で看取るときはゆっくりです。
病院のように、心電図モニターも何もありません。
本当に心臓は動いてないのか、本当に息は止まっているのか、本当に対光反射は消失しているのか。
ゆっくり診断して死亡宣告します。緊張します。

患者さんは、痩せて小さくなっていましたが、点滴も、尿のカテーテルも入らず、
お嫁さんが着せてくれていた綺麗な寝間着を着て、自然な形で亡くなりました。

昨年9月に、やはり在宅で1人看取らせていただきました。
その方は90過ぎた高齢で、老衰でしたが、やはり入院、点滴などを希望されませんでした。
家族が振り向いたらもう事切れていたみたいな、自然な亡くなり方でした。

私にも限界があります。全ての患者さんを家で看取る自信はありません。
まず必要なのは、本人の希望、そして家族の覚悟です。
しかし、本人が望み、家族も希望されても、住所が遠い方などは対応出来ない場合があります。
ある程度病状がコントロール出来てないと、本人も周りも苦労することもあります。
そういう場合は入院をお勧めしています。

でも、長年お付き合いのあった患者さん、私の文字通り手の届くところにいる患者さんの最期を看取りたい。
それがかかりつけ医の願いであり、また務めだと思うのです。

「最期まで看取らせていただいてありがとうございました」
私はいつも最後にこう言って家族に挨拶をします。
家族の方も、「先生のおかげで家で看取ることが出来ました」と言ってもらえることが多いです。
こうやって、また絆が生まれます;

これが私の喜びでもあります。

画像は、当院の軒下のツバメの巣。
どうやら、赤ちゃんが出来たようで、小さな鳴き声が聞こえます。
親は一生懸命面倒を見ているようです。
死に往く者あれば、生まれ来る者ありと言う事で・・。

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# by takahashi-naika | 2018-07-15 01:11 | 診療雑記

クリニックの軒下に

またまた更新が滞りました。
こんなに間が空いたらブログとは言えないかもですね。
本来筆まめなのですが、色々と公私に忙しく・・と言う事にしておいてください。

ところで、数日前から、ツバメがうろうろしてると思ったら、またクリニックの自動ドアの上に巣を作り始めました。
また、と言うのは数年前にも巣を作って、立派に完成したのにそのまま入らずにどこかへ行ってしまった事があるからです。
その後も毎年やってきてましたが、巣を作り出したのが久しぶり。

大きな軒があるので、風雨が当たりにくいと言う条件で選ばれているのだと思います。端っこじゃなくて、ちょうど軒下のど真ん中に作ってるから。
ツバメも小さな脳みそで考えているんでしょうね。
しかし、当院は人間の通行が多い、毎日巣の下を大勢の人が通るのはいかがなものか?おそらく前に断念したのも、そのことが原因かなと推察します。
日曜日あたりに来たら、良い場所と思ったのに、ウイークデーになったら、何じゃこりゃ?みたいな感じね。今回はどうなるのでしょう?
暖かく?見守りたいと思います。

もし、巣が出来て雛など生まれたときには、自動ドアの下を通るときにはご注意ください。
思いがけないプレゼントが上から降ってくるかも知れませんので。

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# by takahashi-naika | 2018-06-05 10:42 | 診療雑記

春になりました

久しぶりのブログ更新院なります。
待っていてくれた方(そんな人居るのか?)すみません。
本来筆まめな性格なのですが、今年の冬はインフルエンザの流行など色々と忙しい事が重なり
ゆっくり仕事以外の文章を書く時間をもてないで居ました。

前回のブログを書いたのは秋でしたが、冬を通り越して今は春、桜が満開です。
1週間ぐらい前は、まだ3分咲き程度だったのが、今はもうどこもかしこも満開、
この週末は大勢の方がお花見を楽しむでしょう。

それと共に花粉も爆発したようで、私も数年ぶりに花粉症の薬を飲み出した。
それぞれの季節には、それぞれの季節の問題があるようです。

ここ数年、朝食の後で衛星放送で連続ドラマ、所謂朝ドラを見るのを楽しみにしていました。
昔の再放送と、それに続いて現在の放送が見えるのが嬉しいです。
今日がその最終回でした。古いのは「花子とアン」、新しいのは「わろてんか」。
朝ドラは、いつもはっぴぃえんどで、根っからの悪人が出て来ないので安心して見えます。
私的には、「ひよっこ」が最近の中では一番好きでした。

テレビを見るようになったのは、新聞を読むことが減ったから・・と言うか最近はほとんど読まなくなりました。
ネットで読めるからと言うような、新しい理由ではありません。
新聞の字を読むのが辛くなってきたからです。
数年前からの老眼、以前からの乱視、そして数年前からの網膜疾患などあり、小さい字、コントラストの弱い字が読みにくい。
白字に黒でくっきり印刷された字は読めるけど、新聞紙や文庫本のような少し茶色い紙だと見えにくいのです。
液晶リモコンの字など見えないし。
また調節力も弱く、夜中になるとパソコンの字も見えません。
新聞はルーペ眼鏡で読めば読めますが、あれも結構頭が痛くなります。
と、言う訳でテレビにシフトしてきたのです。
高齢者の方がテレビばかり見ていることが多い理由の一つがわかったような気がします。

そんな訳で、我が家の朝は朝ドラから始まります。
そして火野さんの「こころ旅」を見ながら、朝の仕事の準備に入ります。

少し遅くなりましたが、今年もよろしくお願いします。

写真は、近所の公園の桜、そして私の愛用している眼鏡達です。

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# by takahashi-naika | 2018-03-31 14:34 | 診療雑記

人の移り変わり

当院は、今年で開業して20年を迎えました。
多くの患者さんと出会うことが出来て幸せだと思って居ます。

慢性の病気で定期的に受診をされる方。
調子の悪いときだけ受診をされる方
健診の時のみ来られる方

利用法は様々です。
もちろん、病院という場所は来ないにこしことはない訳ですから。

ずっと通ってきていた患者さんがしばらく来ないとどうしたんだろうと心配になります。
調子が良くなった・・はずはない(慢性疾患ですから)
家を引っ越した
知らないうちに入院した
病院を変わった
不幸な経過になった

色々考えても、知る手立てはあまりません。
特に、家族がいればまだしも、一人暮らしの高齢者の場合は。
家に電話してしても、他の病院に変わっていたりしたら相手も決まりが悪いだろうし。
そこまでするべき間柄かどうかも分かりません。

患者さんが多くなると、すぐに気づかない場合もあります。
先日も・・・ふと・・あれ??○○さんって最近来てないよなあと頭に浮かびました。
一人暮らしの高齢の女性でした。
一人しか居なかったお子さんが急逝し、その後ご主人が2年ぐらい前に急逝。
その後もお一人で、時々姪御さんが様子を見に行っていたみたいですが。
忘れることなく、キチキチと受診されてました。

カルテを見てみたら、最後の受診が1月でした。
最近、時々クスリを飲むのを忘れるようになって・・・とカルテに書いてありました。

お元気なのだろうか?
どこか施設にでも入ったのか?
色々考えますが、知る手立てはありません。
来てなかったことに、今まで気づかなくて申し訳無い・・
元気で居てくれたら良いんだけれど・・

そんな事を思いながら、今日も元気に仕事をします。




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# by takahashi-naika | 2017-10-12 10:45 | 診療雑記

豊田勇造ライブ徳島2017 今年もやります


今年も豊田勇造さんのライブをやります。
京都出身で60年代から活動を続けるフォークシンガー。
ブルースで産湯を使い、ボブディランに影響され、ジャマイカのレゲエに憧れて
ジャマイカでアルバムを作り、その後アジアを巡り、今はタイと日本で暮らしながら
歌と旅の暮らしを続けています。
日本全国100カ所を回り、唄った場所でCDを売り、1宿1飯でそこの家に泊まりながら
次のライブへ。
そんなワンナイトスタンドの人生をもう40年近く続けています。
60歳の時に、ファンに感謝して6月6日に京都の円山公園野外音楽堂で2000人のファンを集め
6時間で60曲を歌う無料のライブをやった勇造さん。
半分冗談、半分本気で言っていた70歳7時間70曲のライブがあと2年に迫ってきました。
既に会場を予約したそうです。
我が家では、16回目のライブとなります。
良かったら皆さんも熱いひとときを勇造ライブで過ごしてください。
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# by takahashi-naika | 2017-09-17 23:19 | 日常雑記

たかはし内科 院長 日々の診察雑記帳


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